透析時に投与される薬剤について

今年度で透析施設勤務7年目の蒼人(@minegisiaoto)です!

今回は透析時に投与される薬剤についてまとめてみようと思います。自施設で主に透析終了時投与の薬剤についてです。

 

1年目に患者から

「それはどんな効果のある薬なの?」

と聞かれてうまく答えられず…そんな経験を思い出しながら簡単にまとめて行きたいと思います!

 

※どんな薬にも副作用はありますので万能ではないことは周知の上ご覧ください。

qimono / Pixabay

 

ESA製剤(赤血球造血刺激因子製剤)

タイトルの()内にも記載していますが、赤血球の造血を促す薬剤になります。

ESA製剤には以下のようなものがあります。

  • エポエチンα(エスポー)
  • エポエチンβ(エポジン)
  • ダルベポエチン(ネスプ)
  • エポエチン ベータ ペゴル (ミルセラ)

 

これらは「腎性貧血」を改善するためのものです

腎性貧血とは…
腎臓は様々なホルモンを分泌しており、その中に赤血球の産生を促進する「エリスロポエチン」があります。
腎臓の働きが低下している状態では「エリスロポエチン」の分泌が減り、赤血球の産生が促進されず、赤血球の数が足りない状態になります。

症状としては、疲れやすい、動悸、息切れ、めまいなどがあります。

赤血球が少ない状態では全身に十分な酸素を運べない状態になり、これをカバーするため心臓がたくさん動かすことになり負担がかかります。

 

「貧血」の状態を説明するときは赤血球を荷物を運ぶ「トラック」に例えると伝わりやすいです!

たくさんの酸素を運ぶためにトラックが血管という道路を走ります。

  • トラックの数「多い」→往復する回数が少なくなる
  • トラックの数「少ない」→往復する回数が多くなる

往復する回数→心臓の動く回数と考えると貧血が心臓に負荷をかけていることがわかりやすいかと思います。

 

活性型ビタミンD製剤

  • オキサロール

 

腎臓は食物等のから摂取したビタミンDが腎臓で活性化され体内では「活性型ビタミンD」として利用されます

活性型ビタミンDというのは腸管からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を適正に保つ役割があります。

 

透析患者では腎機能低下に伴いビタミンDの活性化障害が発生 →   血清カルシウム濃度が低下する

 

腎機能が低下した患者は体内でビタミンDを活性化することが困難となるため薬剤として投与します。

詳細は以前記事にしているので下記のリンクから⤵︎

過去記事;透析患者に使用されるオキサロールについて

 

プロスタグランジン製剤

  • パルクス

 

末梢循環障害を回復するための薬剤です
→末梢の血管を拡張させ、血流を良くすることで手足の潰瘍や疼痛、しびれなどの症状を改善します。

 

妊娠や出血(消化管出血等)がある場合には禁忌となっていますので注意!

 

血圧が低下することを危惧して透析終了時に血圧が低い患者には投与しないほうが…なんて話も聞きますが、個人的にはそんなに下がらないのでは?という印象です。

 

鉄剤

  • フェジン

 

鉄欠乏性貧血に対する薬剤です。

鉄の量が足りず、赤血球が産生できない場合に投与するものになります。ESA製剤がしっかり投与されていても赤血球の材料になる「鉄」が足りなければそもそも赤血球を作ることができません。

Hbが維持できず、TSAT20%未満かつフェリチン値100ng/ml未満であれば投与が推奨されています。

鉄は過剰になっても問題がありますので、検査値を見ながら過剰にならないよう注意が必要です。

 

投与方法について

2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」では透析患者では週一回の透析終了時投与。13回を区切りとし血清フェリチン値が300ng/mlを上回らないようにとあります。

 

グリチルリチン製剤

  • ヒシファーゲン
  • ミノフィット

 

透析患者では皮膚掻痒感に対して投与されることが多いかと思います。

作用としましては、炎症性物質の生成やアレルギーを抑える作用により肝臓の炎症を鎮め、働きを回復することで湿疹・皮膚炎などを改善します。

 

レボカルニチン

  • エルカルチン

 

カルニチン欠乏症に対する薬剤です。

カルニチンの体内での働きは脂肪酸を全身の細胞に運ぶことです。
→運ばれた脂肪酸が細胞内でエネルギーに変わります。

カルニチンは食べ物の摂取から75%、腎臓・肝臓で25%作られるとされています。

透析患者では

  • 腎臓での合成低下
  • 透析によるカルニチンの除去(1回の透析で血液中の70〜80%が除去される)
  • 食事制限

上記3つの原因でカルニチン欠乏になりやすい状態にあると言えます。

透析で血液中の70〜80%が除去されると書きましたので驚いた方もいるかと思いますが、体内のカルニチンのほとんどは骨格筋などにあり、血液中には全体の1%以下しか分布していないそうです

 

カルニチンが低下すると

  • 足のつり、痙攣
  • 貧血、立ちくらみ
  • 倦怠感、疲れやすさ
  • 新機能の低下、血圧低下

などの症状が出るようです。

 

カルシウム受容体作動薬

  • パーサビブ

 

副甲状腺細胞のカルシウム受容体に作用し、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌と合成を抑え、血清PTH・血清カルシウム濃度を低下させる薬剤です

 

透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症の治療に使われます。

カルシウム低下作用があるため、低カルシウム血症には注意が必要です。

 


簡単にですが以上になります!

「こんな薬剤もあるよ!」や「この説明違うんじゃ?」等ありましたらコメント欄やTwitter等で連絡いただけるとありがたいです!

 

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